スペインのアンダルシア地方です。日本食レストランでウェートレスをしています。年収は約140万円、手取りで約120万円です。
- 家賃(水道、光熱費込み):35,000円
- 食費:20,000円
- フラメンコレッスン代:25,000円
- その他雑費:20,000円
この辺が主な生活費になります。私は日本で習っていたフラメンコを極めたくて、フラメンコが本場のスペインへ移住しました。
日本にいた頃はスペインに行ったら可愛いスペイン風のアパートに住んで、毎日フラメンコ教室に通って、休日は本場のフラメンコショーを見に行ったりしようと、あれやこれやと夢を見ていました。
誰も知り合いのいないスペインに到着して始めの1週間は安いホステルに泊まりながらアパートを探し始めました。
アパートは家賃が安い同居人のいるシェアハウスに絞って探し、無事に水道代、光熱費込みで35000円ほどのスペインタイルが可愛いアパートに決まりました。
アパートさえ決まればあとはフラメンコ漬けの日々を送ろうと思い、3ヶ月間ぐらいは思う存分にフラメンコライフを堪能していました。
毎日レッスンとアパートの往復の生活は楽しかったのですが、同時にだんだんと収入のない生活に不安を感じてきました。
スペインで生活費に困り仕事を見つけるまでの経緯
そこでアルバイトを探すことにしました。が、しかし、これがまた想像以上に難しかったのです。まずスペインは長い不景気でスペイン人にすら充分に仕事があるわけではありません。
そんな中スペイン語が初球レベルの私が仕事を探そうとは少し無謀な感じでした。アルバイトを探し始めて半年近く経ち貯金の底が見えてくると、お友達からの誘いも半分ぐらい断らなければならずかなり落ち込みました。
この時はスーパーでは値引きシールが貼ってあるものばかり買っていていました。お金さえあればもっと楽しい生活が送れるのにと思っていました。
一時は大好きなフラメンコのレッスンも節約のために辞めようかと思いました。フラメンコが目的でスペインに来たのにそれでは本末転倒ですが、それほどお金に不安を感じていたのです。
しかしフラメンコの神様は私を見捨てませんでした。ある日フラメンコの先生が日本食レストランで求人募集があると教えてくれたのです。
そして面接を経て見事に採用が決まりました。採用の電話があった時は、アルバイトを探していた半年間の不安から解き放たれた瞬間でした。
私はこれで貯金の底を気にせずにレッスンに励めるし、ずっと欲しかった5万円近くするフラメンコの衣装も買いたいなと、まだ初のお給料ももらっていないのに浮かれていました。
スペインで初めてのアルバイトはとっても新鮮で職場で日本人の知り合いもでき、楽しんで仕事をすることができました。
週に2回しか働いていなかったので月収は30000円ちょっとでしたが、以前は収入ゼロだったので、これで生活が潤うだろうという何の根拠もない自信がありました。
以前はセーブしていた外食やお友達とのお出かけも再開しいました。そして数ヶ月後に貯金の底が見え現実を知るのです。
明らかに収入より出費の方が多いので貯金が減るのは当たり前なのですが、”働いている”事に気を大きくしていたので貯金の少なさを知った時はショックでした。
このままではフラメンコを辞めるしかないのかなと、またもや無職の時と同じような考えに至った時、職場から正社員のオファーを頂いたのです。
これはもうフラメンコの神様が私にフラメンコを続けさせてくれたとしか思えませんでした。正社員と言っても毎日のランチタイムのみで、夜は働かなくてもいいので毎日仕事の後にフラメンコのレッスンに通うことができました。
正社員になってからは週6日働くようになったので、収入も増え月収は手取りで10万円ほどになりました。これでやっと、やっと毎月の出費をカバーする事ができました。
お金がなくて満足のいく美味しいものが食べられなかったり、大好きなフラメンコを辞めようかと悩んだり色々ありましたが、独身女性の私にとって一番辛かったのはデートに行けなかった事だと思います。
デート代もなければ、着ていく服もなくいろいろな出会いを逃していたと思います。
やっと安定した収入を得た今はフラメンコや仕事と同様、デートも楽しんで生活がとっても充実しています。お金は人生の全てではありませんが、改めてその大切さをスペインに来て学びました。